PERSON

デベロッパーの建築担当が果たすすべき役割とは何か?

デベロッパーの建築担当が果たすすべき役割とは何か?

2015年入社 建築学専攻
都市建築デザイン部
建築・エンジニアリング担当(取材当時)

中井 達郎

ハードウエアのデザインを超え

大学で建築を学びながら、いつも頭を離れなかったことがあります。それは、建築の利用者からすればハードウエアのデザインは、空間体験のごく一部でしかないのではないか、ということです。自分が利用者である時のことを考えても、思い出として残っている体験とは、そこで食べた物や耳にした音楽、窓から見た景色などが重なり合った複合的なものです。私が空間から受けとるのは “価値ある体験”の全体であり、単なるハードの体験ではありません。私が設計事務所でも、ゼネコンでもなく、デベロッパーで働くことを選んだのは、そのためでした。私は “価値ある体験”とは何かを考え、それを具現化し、実現する……その全体のマネジメントこそ、自分の仕事にしたいと思ったのです。
もちろん、その実現は簡単ではありません。建築担当としてプロジェクト推進部(当時)に着任してからの2年間は、その実現の道を探ることでした。

ハードウエアのデザインを超え

一つの建築企画には多くのステークホルダーが存在します。一人ひとりが、夢を持ち、意志と理論を持ち、あるいは経験に裏付けられた勘を働かせて、複雑に関係しながらぶつかり合います。それをまとめていくのは難しい。実際、私が担当している大規模オフィスビルのリニューアルでは、お客さまである商業施設のテナントやオフィスの利用者、リニューアルに取り組む私たちの側の建築担当や運用担当、完成後に資産価値を維持・拡大するために管理を行うアセットマネジメントの担当者など多くのステークホルダーが存在します。立場が異なるメンバー間で、どのようなリニューアルを実現するのか、どんな“価値ある体験”を新たにつくりあげるのか、共通認識は十分ではありませんでした。

ワークショップでつくり上げたチームの一体感

ワークショップでつくり上げたチームの一体感

全員が一丸となって、つくりあげるべき価値を見出し、それを実現するための強いチームになるためにどうすべきか? 私は「パターンランゲージワークショップ」を提案しました。これは、まだ言語化されていない暗黙知や漠然としたイメージを、言葉で表現された共通認識にしていくためのワークショップです。テナントやオフィスワーカーとともに、私たちも、建築担当だけではなく各関係者が集まりました。当初は「利用者からアンケートを取ればよい」「利用者の声を直接聞いたら、実現の約束になってしまうのではないか」といった消極論がありました。しかし、アンケートは単なる問題点のチェックにしかなりません。全員が一堂に会し、つくりあげるべき新たな価値について議論する、その意義を訴えて実現にこぎつけました。

各社から40人ほどが集まり、全員が自分の課題としてリニューアルを捉えながら、ゴールを探っていきました。結果、利用者側の満足度は非常に高く、チームとしての一体感を作り出すこともできました。デベロッパーの建築担当が何をすべきか、私はその答えの一つを見つけることができたと感じました。すべてのステークホルダーの思いを引き出して紡ぎ、それを目標として共有した強力なチームをつくり上げ、企画の実現性を担保する――それこそ建築担当ならではのミッションだと思います。
ワークショップの開催は、私の大きなチャレンジでした。上司や先輩は新人の私の意見にも熱心に耳を傾け、そこに理があると感じたとき「よし、やろう」と起ち上がってくれました。NTT都市開発はそういう会社です。就職活動中の学生から「社風はどうですか」「挑戦できますか」といった質問を受けることがあります。私はこう答えています。風土があるからチャレンジできるのではない。チャレンジをしようと思う人間が集まって風土をつくっていくのだと。次のNTT都市開発を自分がつくる――そういう気概を持った人と仕事をしていきたいと思っています。

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